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シュワルツェネッガー作品

デヴィッド・エアー監督による異色のサスペンス・アクション『サボタージュ』

『サボタージュ』は、アガサ・クリスティの名作『そして誰もいなくなった』を下敷きにしたストーリーを、『エンド・オブ・ウォッチ』『フューリー』のデヴィッド・エアー監督が演出したアクション・スリラー。

シュワルツェネッガーが演じるのは、麻薬取締局(DEA)のエリート捜査官ジョン “ブリーチャー” ウォートン。麻薬戦争で数々の功績をあげた伝説の人物でDEA最強の特殊部隊を率いるリーダーだが、麻薬組織に最愛の妻子を虐殺されたという耐え難い過去を持つ。

ある日の任務、ブリーチャーは8人の部下を引き連れ、麻薬カルテルに強制捜索に入ると、アジトに保管された闇資金の中から1000万ドルを横領して下水道に隠す。

しかし、隠したはずの現金が消失、さらにその不正行為が麻薬取締局に疑われるなか、チームのメンバーが次々と不可解な死を遂げ、生き残ったメンバーたちは疑心暗鬼に陥っていく。

ブリーチャーたちに恨みを持つ麻薬カルテルの復報なのか、それともチームのメンバーによる裏切りなのか、事態は思わぬ展開を迎えることに…。

もともと3時間の長尺だったという本作、スタジオ側の意向によりミステリー部分を大幅に切り詰めたことで物語はあちこちで破錠しているが、そのまとまりのなさや妙に駆け足な展開が逆に独特な雰囲気を生み出して作品の不思議な魅力になっているのが面白い。

珍しく善悪が曖昧なキャラクターを演じるシュワルツェネッガーは老け込んでもさすがの存在感を発揮。また、実力派豪華キャストによるチームのメンバーたちも個性的で、乱暴な言葉で軽口をたたき合う様子は妙にリアリティに溢れている。

豪華キャストが揃ったキャラクターポスター

作品の印象を決定づけるデヴィッド・エアーの生々しくハードな演出はいつもながら見応え十分。ただし、本作の過剰なまでの暴力性とグロテスクな描写は、そのストーリー展開も含め、痛快なエンターテインメント作品を求める観客にはすんなり受け入れられないかもしれない。

シュワルツェネッガー主演作ワースト記録を更新…『サボタージュ』の興行成績

隠し子・離婚騒動で世間の反感を買い、政治家からの俳優復帰作『ラストスタンド』(2013年)がまさかの大コケ、スタローンとの本格共演作『大脱出』(2013年)もアメリカ国内では期待以上の成績が上げられず、以前のような興行価値をすっかり失ってしまった様子のシュワルツェネッガー。
公開前に試算された『サボタージュ』の全米興収予測はトータルで1200~1500万ドルとかなり控えめな数字になっていた。
そんな中、2014年3月28日に2486館とそれなりの規模で全米公開された『サボタージュ』は、ボックスオフィスランキングで初登場7位と大惨敗。

5月15日に上映を終えるまでの興収はわずか1050万ドルと事前の予想をさらに下回るものとなり、『ラストスタンド』で更新したシュワルツェネッガー主演作のワースト興収記録をさらに更新する残念な結果に終ってしまった。

『サボタージュ』作品情報

原題:Sabotage
監督:デヴィッド・エアー
脚本:スキップ・ウッズ、デヴィッド・エアー
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、サム・ワーシントン、オリヴィア・ウィリアムズ、テランス・ハワード、ジョー・マンガニエロ、ジョシュ・ハロウェイ、ミレイユ・イーノス
音楽:デヴィッド・サーディ
全米公開:2014年3月28日
日本公開:2014年11月7日
全米ボックスオフィスランキング:初登場7位
全米興行収入:1051万ドル
全世界興行収入:1751万ドル