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人気コミックを映画化!スタローン主演のSFアクション超大作『ジャッジ・ドレッド』

西暦2139年、犯罪多発都市メガシティ・ワン。そこでは、警察官・裁判官・処刑人の権限を全て与えられたエリート集団“ジャッジ”が街の治安を維持していた。“ジャッジ”の頂点に立つドレッドは人々の尊敬を集め伝説のジャッジと称されていたが、ある日突然、殺人の嫌疑がかけられ逮捕されてしまう。しかし、そこにはかつて葬られたはずの“ヤヌス計画”を巡る巨大な陰謀が隠されていたのであった──。

『ジャッジ・ドレッド』は、1970年代後半から続くイギリスの人気コミックを映画化したスタローン主演のSFアクション超大作。コミックの登場以来、実写映画化は幾度となく企画されていたが、実現に至るまでに20年近くの歳月を要し、1995年にようやく完成にこぎつけたいわくつきの作品だ。

しかし、いざ公開されると全米での興行収入は3469万ドルという結果で大惨敗。スタローン主演作史上ワーストレベルの大コケ作品になってしまった。

その敗因はいったい何だったのか──。

コメディ作品に2作続けて出演した後、『クリフハンガー』(1993年)の大ヒットでアクションスターとして完全復活を果たし、続く『デモリションマン』(1993年)『スペシャリスト』(1994年)ともにヒットに導いたスタローンが次に選んだのが本作『ジャッジ・ドレッド』で、一時はシュワルツェネッガーが出演契約にサインをして撮影開始直前まで漕ぎ着けたといわれるこの作品には、それまでのスタローン主演作で最高額となる9000万ドルの製作費が費やされた。

人気コミックとスタローンの組み合わせということもありそれなりに期待されていた本作だが、劇場公開前にスチール写真や予告編が各メディアで露出されるとその期待は徐々に不安へと変わっていった。テカテカにデザインされたジャッジたちのビジュアルが失笑を買ってしまったのだ…。

ジャッジたちが身につけるコスチュームはそれなりに再現されているものの実写化されるとまるで子供向けの戦隊モノのようで、スタローンファンであっても擁護しきれないほどのカッコ悪さだ。R指定である本作だが、いい歳の大人がわざわざ劇場へ足を運んで観るまでもない作品だと思われてしまったら、その時点で興行的には致命的だ。

さらに、そのコスチュームも原作の設定を無視してあっさり脱いでしまうことで原作ファンの怒りまで買ってしまうという事態に…。素顔を隠したままのキャラクターならそもそもスタローンが演じる意味はないが、これで原作ファンですら取り込むこともできなくなってしまった。

他にも、スタローンの無闇に大げさな演技や、強引で力技な展開、“その追っ手は殺しちゃってもいいの?”問題など、気になる点をあげればきりがない本作は、当然のように批評家からこき下ろされ、観客にも敬遠されてしまった──。

『ジャッジ・ドレッド』オリジナルポスター

しかし、決して優れた作品ではないにしても一部のファンからはカルト的な人気を誇っており、当時の技術を最大限に駆使してコミックの世界観を作り込んだビジュアルはどこか懐かしさを感じさせ、憎めない独特の面白さがある。

ストーリーは、かつて有能なジャッジを遺伝子工学を使って量産しようとし封印されたヤヌス計画を巡る陰謀を軸に、体制側にいる主人公が罠にはめられ追われながらも真相を暴き、自らのアイデンティティを取り戻すという王道の展開が繰り広げられる。権力者による陰謀や裏切り、ドレッドの意外な過去などが描かれ飽きることがない。

キャストも豪華で、ドレッドが尊敬するかつてのジャッジにして司法の頂点に立つファーゴ長官を、名優マックス・フォン・シドーが演じていているのも見どころのひとつ。マックス・フォン・シドーとスタローンは本作で『勝利への脱出』(1981年)以来の共演となった。

ドレッドの宿命のライバル、リコ役には、スタローンの初監督作品『パラダイス・アレイ』(1978年)でスタローンと兄弟役を演じたアーマンド・アサンテが扮し、狂気をはらんだ気迫あふれる演技で、スタローンに引けを取らない悪役を見事に演じている。

また、ドレッドと行動を共にするファージー役のロブ・シュナイダーが、愛嬌があるコメディリリーフぶりを発揮しているのも楽しい。ちなみに、ロブ・シュナイダーも『デモリションマン』(1993年)でスタローンと共演済み。

女性陣ではダイアン・レインとジョアン・チェンが激しい格闘シーンを披露しているのも見ものだ。

『ジャッジ・ドレッド』オリジナル予告編

原作ファンの不評を買ったのは納得の本作だが、原作の設定を借りたスタローンのアクション映画として観れば十分楽しめ、全編ヘルメットをつけたままのドレッドを求めるのであれば2012年にカール・アーバン主演で製作されたリブート版の『ジャッジ・ドレッド』(2012年)がオススメだ。

『ジャッジ・ドレッド』作品情報

原題:Judge Dredd
監督:ダニー・キャノン
脚本:ウィリアム・ウィッシャー、スティーヴン・E・デ・スーザ
出演:シルベスター・スタローン、ダイアン・レイン、アーマンド・アサンテ、マックス・フォン・シドー、ロブ・シュナイダー
音楽:アラン・シルヴェストリ
全米公開:1995年6月30日
日本公開:1995年9月15日
全米映画ランキング:初登場5位
全米興行収入:3469万ドル
全世界興行収入:1億1349万ドル