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スタローン作品

娯楽性とメッセージ性を見事に両立させた文句なしの傑作『ランボー』

『ランボー』は、ベトナム帰りの元グリーンベレー隊員ランボーを主人公に、孤独な魂の怒りと哀しみを描いたデイヴィッド・マレル原作のアクション映画。原作では死を遂げるランボーだが、映画版では生き残り、5作目まで続編が作られている。見事なアクションシーンに加えスタローンの演技も見応えのある一作だ。

アメリカの田舎町に、ひとりの流れ者が現れる。男の名はランボー。その風貌を不審に思った警察署長ティーズルはランボーを不当に逮捕、部下たちに酷い仕打ちをさせる。フラッシュバックする戦場の記憶により怒りを爆発させたランボーは警官たちをねじ伏せ山奥へ逃走、戦場仕込みのゲリラ戦で次々と追っ手を撃退する。引っ込みのつかなくなったティーズルはついに州警察や州兵を総動員、たったひとりのランボーに襲いかかるのだった…!

ランボーの一般的なイメージは、アクション大作に路線変更され大ヒットした『ランボー/怒りの脱出』『ランボー3/怒りのアフガン』の影響を受けて一括りにされがちだが、シリーズ1作目の本作はそれら続編とは明らかにトーンが違っている。
もちろん、続編を含め優れたアクション映画であることは言うまでもないが、本作は特にベトナム戦争が残した傷跡というテーマを強く打ち出している。

ランボーは怒りに煽られ、追っ手を痛めつけ町までも破壊するが、心に受けた傷に苦しみ、映画のラストでは唯一の理解者である元上官トラウトマンの腕のなかで泣き崩れる。
「戦場ではヘリや戦車を操縦できたし100万ドルの兵器をまかせてくれた。でもここでは駐車場係の仕事さえない!」ランボーが元上官トラウトマンに対して涙ながらに帰還兵の苦しみを訴えるシーンは、公開から40年近い時を超えた今もなお胸を打つものがある。

不採用となった別バージョンのエンディング

デイヴィッド・マレルによる原作(邦題『一人だけの軍隊』)では、ランボーが死ぬことにより物語が完結する。
映画版でも、ランボーがトラウトマン大佐に握らせた銃で自分を撃たせるという自殺バージョンが撮影され、テスト試写まで行われたが、それまでランボーを必死に応援していた観客は、ランボーが死ぬと静まり返ってしまったという。この試写での反応を受けて、ラストシーンは現在のバージョンに差し替えられた。
別バージョンのエンディングは4Kレストア版Blu-rayなどの特典映像として収録され、シリーズ4作目『ランボー/最後の戦場』でもランボーが見る夢のシーンで一瞬だけ確認することができる。

『ランボー』の興行成績

スタローンにとってようやくロッキー以外の当たり役となった『ランボー』は、1500万ドルの製作費に対してアメリカ国内だけで4721万ドルの興収(現在の1億4691万ドル相当の興収:2020年4月時点の換算)をあげる成功を収めた。
しかし、ベトナム戦争が残した傷跡というテーマが重かったのか『ロッキー』シリーズほどのヒットには至らず、これにより続編以降はド派手なアクション大作へと変貌を遂げることになる。

『ランボー』作品情報

原題:First Blood
監督:テッド・コッチェフ
脚本:マイケル・コゾル、ウィリアム・サックハイム、シルベスター・スタローン
出演:シルベスター・スタローン、リチャード・クレンナ、ブライアン・デネヒー
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
全米公開:1982年10月22日
日本公開:1982年12月18日
全米ボックスオフィスランキング:初登場1位
全米興行収入:4721万ドル
日本配給収入:12億円
全世界興行収入:1億2521万ドル